-
「ドレス」上演台本 / 財団、江本純子vol.15
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー全てを吸い尽くしてやるー 毎年「賞」の発表が行われる度に、結構ざわつくんです。特にわたしの場合は、白水社主催の岸田國士戯曲賞の最終候補が発表される1月中旬くらいとか、特にざわざわ、もやもやしちゃってます。そのせいで、その時期はランニングの回数が増えます。大してスッキリしませんが。 2009年、2010年に最終候補としてノミネートされて以来、はや10年経ちました。「もうええわ!」って思っていたら、昨年あたり、白水社から「賞候補に台本送ってください」と連絡をいただいてしまい、ますます、もや度が増しております。そっけなかった片思いの相手が急に連絡きた、みたいな。ちょっと違うかな。一回連絡あったくらいで「あのコわたしに好意がある!」と、調子に乗らないようになったところは、わたしも大人になった証拠かしら。 「賞なんていらねーー」って気持ちと「あーーーすっごい欲っしぃ〜」って気持ちが毎年拮抗しまくった挙句でしょうか、「授賞式」に着ていくすっごいかっちょいドレスのことは、冷静に考え続けています。大事でしょ、そこ。 というわけで、この作品が生まれました。 あ。この台本も、まさに白水社さんに送りましたが・・わたしは今年もドレスは着ていません。 〔ものがたり〕 芸術界・芸能界をそれぞれの戦略と執拗なこだわりで生き抜こうと必死すぎる女性たちの物語。 この凄まじく下品な世界で、ハリボテのセレブリティ「ドレス」を着こなすことに取り憑かれて、壊れていく。 飲み会での位置どり、貢物のセレクト、屈辱の処理、ほどほどのユーモア、眉毛はナチュラルに。 そんでもって毎年、呼ばれてもいないけど授賞式に着ていくドレスを考えてしまう、くらいには狂っていますが何か? 世間ていう悪魔と戦わなくてはならないのに、セクハラばっかりしてくる権力者と戦ってばかりでくたびれてますが、どうして? いつだって世間への揺るぎない闘志と揺らぎまくるゲス精神がせめぎあっている。 おかしいのは己か?この世の中か? 財団、江本純子vol.15「ドレス」 作・演出 江本純子 出演 内田慈 笹野鈴々音 遠藤留奈 江本純子 日程 2019年 3月27日〜31日 場所 ギャラリールデコ6F
-
「タキシード」上演台本/財団、江本純子vol.14
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー 諦めて次行ってみる? ー 2017年から約1年、東京都心部をすこーし離れて千葉県松戸市で暮らしていました。最初は田舎っぽい素朴さに時めくこともあったのですが、次第に寂しくなってきて。ロマンティックを感じていた武蔵野線の高架を走る列車にも慣れて、レトロな喫茶店も貧乏くさく思えてきて、何もわくわくせずに淡々と暮らしていた頃、唯一の娯楽はホームセンターに行くことでした。ホームセンターに行くと、ちょっとだけわくわくするんですけど、あるとき138円のスポンジを買うか、98円のスポンジを買うかで1時間くらい悩んだまま店内でじっとしていたときに、わたしはこの町から引っ越さなくてはいけない、と決意しました。 その時の生活で感じたあれこれをベースに、この物語を作りはじめました。松戸もなかなか退屈でしたけど、東京は東京で、余計なことでくたびれるよなぁ・・といまだふらふらと都会と田舎を行ったり来たりしていますが。 〔ものがたり〕 人間は、丸裸でいたらきっと、嫌悪感、差別感情をむきだしにするだろう。 だからみな「タキシード」を着る。 「タキシード」を脱いだら、争いが起こる。 「タキシード」を無理やり着ていたら、こじれていく。 普通に「タキシード」を着ることができず、停滞していく。 無教養、下卑た自分、他者への嫌悪感を隠してくれる「タキシード」の着方を散々間違えてきて、現在人生にくすぶっている彼らたちの物語。 彼らたちは、「何かを作りに」ホームセンターにやってきたはずだが、何を作るかも忘れて、あるいはめんどうくさくなって、イートインでひと息ついたまま、もうずっとそこにいる。政治家の悪口、世の理不尽、こんなイートインで喋っていることなんて誰も聞いてないでしょ?と言いたい放題。 今停滞している状態を、どうやって好転するかと考えたまま、ここからは動けない。なぜ動けないのか。 今ある事態に声を上げても「時すでに遅し」かもしれない。 声をあげても、負け続けてきたから、もうくたびれている。 だから誰かが、好転のための「奇跡」を起こしてくれるのを待つしかない。 奇跡を待つ時間、問題はずっと揺さぶられたままだけど。 財団、江本純子vol.14「タキシード」 作・演出 江本純子 出演 金子清文 鈴木将一朗 遠藤留奈 美館智範 江本純子 日程 2019年 1月10日〜13日 場所 ギャラリールデコ3F
-
「事務王1」上演台本 醤油理論から始まる新しいセックスの形その3 /財団、江本純子vol.13
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー怒れども叫べども笑えども泣き悲しめどもー 「醤油理論から始まる新しいセックスの形」と題して3つの作品を作りました。その3作目。 おかしいと思っていることがあっても誰も声をあげないのはなぜなのだろう。その声が届かない世の中って何なんだろう。多くの人が、社会にあふれている一向に解決されないあらゆる問題とその状態に、他人事となり、当事者すらも向き合わなくなっている。向き合う体力も能力も失われていく。 人間の創意が鈍麻した「やばい」状況はどこに行っても、よく見受けられる。 わたしは常々、芸術的な心持ちだけを頼りに、それを支えに、解決のポイントを探してきたものの、もしかしたらそんなものでは全く太刀打ちできないかもしれない。という絶望を感じながら、それでもこの現実を、このような作品にして、社会に投げ込む次第です。 [ものがたり] 30代も後半に差し掛かる舞台俳優のサカエは「飯のタネに、ネタのタネにも」と、ある市役所に設けられた「臨時福祉給付金」の窓口に立つ職を得た。そこでは、正規職員はおらず、サカエと同じ臨時職員たちが、給付金を申請する低所得者たちを迎えている。職員たちの退屈な会話に怒り嘆き、低所得者たちののっぴきならない現状にも悲しみ嘆き、サカエは疲弊していく。 サカエの疲弊の渦は、同居している恋人にも波及し、関係悪化の一途を辿る毎日である。 それでもサカエは連日、内心で怒り叫んでいる。芸術にあまり触れることがない職員に芸術の話だってする。でも届かない。 サカエにとって心が腐らない唯一の支えは「芸術を感じる美」が通勤途中に現れることだが、信じている芸術美にまで裏切られることになる。 財団、江本純子vol.13「事務王1」 作・演出 江本純子 出演 遠藤留奈 荻野友里 伊藤俊輔 小林麻子 金子清文 菅原 雪 榎本 純 西田麻耶 藤田晃輔 宮部純子 猪股俊明 羽場睦子 宮下泰幸 江本純子 笹野鈴々音 光瀬指絵 和田光沙 福永マリカ 岩瀬 亮 和田瑠子 美館智範 日程 2018年 6月27日〜7月1日 場所 ギャラリールデコ5F
-
「ぼくと回転する天使たち」上演台本 醤油理論から始まる新しいセックスの形その2 /財団、江本純子vol.12
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー粘膜を剥き出しにして、すべてを裏返していくー 「醤油理論から始まる新しいセックスの形」と題して3つの作品を作りました。その2作目。 なぜこんなにも「アンティーク」に心惹かれるのか、ずっと考えていました。かつてマクロビオティックに傾倒した食生活を送っていたときは、とにかく人工物を忌み嫌うようになり、「添加物」を口にしている他者との関係づくりがなかなかうまくいきませんでした。アンティークにあって添加物にないもの、添加物にあってアンティークにないもの。それらのよいところだけ調和させていくことは、つまり最高の「天然」と最高の「人工」の融合という、わたし自身が目指す理想の芸術作品の意図とも重なります。で、最高の天然とは?最高の人工とは?と考えながら、で、最高の美しさって何よ?という結論を導くまでを作品にしています。 この台本に、セリフはありますが、それは初演時の参加俳優たちがインプロによって生み出したひとつの例として、あくまでも台本から意図を解釈し、これを手にとった人の独自の言葉で紡いでいって欲しいと思います。 [ものがたり] "わたし"のことを"Je"と呼ぶフランスかぶれの「ぼく」。 「ぼく」はアンティークのような時を刻みながら生きている「天然」が大好物で、消費社会に溢れる「人工」的な「添加物」が大嫌い。café、コンビニ、回転寿司…行く先々で対話がマニュアル化された人々、「言葉」を持たない思考停止した人々に「ぼく」の思想をぶつけていくのだが、響かないし、変人扱いされるだけ。 「ぼく」の信じる生き方を、この社会でどう寄り添わせていくか、性のない5人の「天使たち」と誰だかよくわからない「K様」とで、「調律」を試みていく。この世に超絶美しいものを生むために。 財団、江本純子vol.12「ぼくと回転する天使たち」 作・演出 江本純子 出演 江本純子 中村 中 遠藤留奈 光瀬指絵 冨手麻妙 間瀬奈都美 金子清文 日程 2018年 5月23日〜27日 場所 ギャラリールデコ4F
-
「忘れていくキャフェ」上演台本 醤油理論から始まる新しいセックスの形その1 /財団、江本純子vol.11
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー平常を蝕む、忘れたくない侘び寂びー 「醤油理論から始まる新しいセックスの形」と題して3つの作品を作りました。その1作目。 ひとりでいると、愛していた人のことばかり考えて寂しい。寂しいから誰かと出会おうと思っても、過去の人を忘れられないばかりか、より一層過去への思いが膨らんでいく。かつての時間が現在の時間に食い込んでくるときの、強烈な侘び寂びをどうにかしなくてはもう狂ってしまう・・という、わたし自身のとても私的な心境体験をもとに、書き始めました。 2016年に『黒い三人のこども』を上演して以来、その場その時間の人間の状態を見せることを重視した「状態劇」を作っている気がします。この台本は、男女の会話を中心に書いていまして、シンプルな「会話劇」と言えばそうなんですが、会話している男女の言葉から、男女の根底にある精神の状態を読み解いていくのが楽しい、やはり「状態劇」のための本だと自覚しています。 [ものがたり] カフェにて。 追憶でしかない食事、想像でしかできないセックスにくたびれた男は、新たな感覚を共有できる女を探し求めて、出会い系で出会った女たちと、お喋りを繰り返す。寄り添える誰かを見つけるために、古い追憶が新たな形で刻まれていくことは、男にとってはとてつもなく狂おしい。その苦しみの吐露がだだ漏れていく滑稽の果てに、男が選んでいくこと。 財団、江本純子vol.11「忘れていくキャフェ」 作・演出 江本純子 出演 岩瀬 亮 島田桃依 遠藤留奈 うらじぬの 鈴鹿通儀 間瀬奈都美 鈴木万里絵 江本純子 日程 2018年 4月18日〜22日 場所 ギャラリールデコ4F
-
「あなたはわたしのシネマなの」上演台本/財団、江本純子vol.10
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※画像1枚目は公演のチラシ画像です。台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※2枚目以降の画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー狂っているわけじゃない愛のねじれー 小豆島で民泊兼劇場を営む松ノ木天辺氏からの招聘のもと、1年3ヶ月ぶりに小豆島での制作と上演が叶いました。 わたしは普段、自分の生活において、心揺さぶられる瞬間や時間が流れたときに「映画を感じる」と表現しています。映画を感じる、というのはわたしにとっては美しいときめきで、それらばかりを繋げていく作品を、わたしにとって「映画を感じる」小豆島で作りたいと考えました。 そこで、「映画を感じる」ときめきの源流を探るべく、まずはわたしの好きな映画30本くらいの中から、好きなピースを集めることから始めました。それらにほぼ共通していたのは、愛しているのに愛し合えない、わかってほしいのにわかってもらえない、とか、他者と健やかに人間関係を結べない人々の苦悩であり、その苦悩ゆえに間違ったことをしてしまう人間の悲劇的な状態について描いていることでした。 今作のために滞在した2週間、参加した俳優たちと「偏った愛」についてのインプロを積み重ねて出来上がった作品です。 [ものがたり] この物語には数々の「男」と「女」が登場する。彼らは、彼らが信じている愛の表明を行うと、社会的にはとても変人とみなされたり狂人扱いされてしまう。社会と合わせて生きようとすると失敗する。でも彼らは狂っているわけじゃない。そして彼らだけが特別なわけでもない。 誰しもが遭遇する出会いや別れのとき、他者との感情のもつれを起こすふとしたできごと、旅で感じる個人的な感傷、人間にはいつでも「シネマ」な瞬間がある。その無数のピースと共に感じていく、愛する人と生きていくための物語。 財団、江本純子vol.10「あなたはわたしのシネマなの」 作・演出 江本純子 出演 岩瀬 亮 島田桃依 呉城久美 松之木天辺 江本純子 佐久間麻由 日程 2017年 12月22日〜25日
-
「30分で愛は壊れていく」上演台本/財団、江本純子vol.9
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※台本の表紙は江本自身が題字を書いた江本商店オリジナルになります。 ※画像は、公演時の写真です。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー聖なる酔っ払いたちの愛がみるみると壊れていくー 2017年の夏にセゾン文化財団のサバティカルの助成で、ひと月旅をしました。特にアイスランドで体感した「天然」と「人工」の最高の融合の感覚は、わたしの演劇作りに革命を起こすほどの衝撃でした。その興奮覚めやらぬうちにと、帰国後すぐに衝動的に作った作品です。 とにかく疾走し、理性を失ってふざけた状態、浅ましくて軽率な人間の状態を作るために、初演時の俳優には実際に酒を飲んで酔っ払って稽古をしてもらいました。酔っ払いに美しいロマンはあるのだろうか?酔っ払い自身はロマンを感じる瞬間があるかもしれないけれど、端から見るとたぶん気持ち悪いし、信じがたいロマンです。 わたし自身、動物的な本能を信じて、疾走し過ぎたときは、他者を傷つけていることがあります。無自覚に「大事な愛」を失っていることにはたと気づいたときは、死ぬほど苦しいものです。その反省を忘れないようにとこの本を書きました。 [ものがたり] そこで酒を飲みたいひとがいるだけの、廃墟のような場所にて。 ボディコンを着込んで酔っ払い中の通称デレデレ姉妹は、遊び相手に向けて「飲みのお誘い」動画を撮っている。 孤独をもてあました(見知らぬ)酔っ払い仲間とデレデレ姉妹の酔っ払いグルーヴが合致した頃、この場所は彼女たちの劣情と渇望がだだ漏れしたカオスティック・トランス状態となる。 ふざけ惚けていた姉妹たちの劣情もひっそりと収束しかけた頃、姉の「大事なひと」が現れて、ただごとではない緊張の時間が突然やってくる。 財団、江本純子vol.9「30分で愛は壊れていく」 作・演出 江本純子 出演 島田桃依 和田瑠子 江本純子 後藤ユウミ 呉城久美 稲田絵梨 湯川拓哉 小川敦子 岩瀬 亮 / 梨木智香(LAより中継) 日程 2017年 10月27日〜29日 場所 BUoY 北千住アートセンター
-
財団、江本純子vol.8 「売るものがある性」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「お母さんも劇を始めたんだけど・・観に来なくていいよ・・じゃあね」ー マクロビにハマって、糖分とらずに野菜と玄米だけ食べながら書くと、このような挑戦的な作品ができあがってしまうのです。おばさんにはなりたくないという思いから、あらゆるおばさんについての生態を、わたし自身の実生活をあまりフィクション化せずに書いています。パン工場でのこと、劇団員との停滞した時間、母親とのおしゃべり。どんなおばさんだってシルビィギエム(のボレロを踊るとき=宇宙の中心のよう)になる瞬間がある。その特別な瞬間のすごさ、美しさ、それこそがアートだという信念がありました。 [ものがたり] 何かに悩んでいるおばさん、意地の悪いおばさん、働きもののおばさん、親戚のおばさん達、劇団でくすぶっているおばさん、この劇には何人ものおばさんが登場する。これは「おばさんにならないように自分の世界を変えていこうともがいているおばさん(ジュンコ)」とその母親である「もはや世界なんか何も変わらなくても生きていける強いおばさん(レイコ)」、この親子について描いている劇でもある。ただ生きていれば、ひたすら日常でしかないし、いずれ「死」が巡ってくるだけだが、その日常の中で何度となく遭遇する小さな祝祭が、その誰だかわからない誰かの「生」を特別なものにしている。 財団、江本純子vol.8「売るものがある性」 作・演出 江本純子 出演 市川しんぺー 佐久間麻由 荻野友里 本山歩 江本純子 2015年4月23日~29日 @アトリエヘリコプター
-
財団、江本純子vol.7 「人生2ねんせい」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「10年後に、実はずっと好きな人がいて、って言われても困るからね」ー 「2回目の人生だ」ということ自覚して生きていく話というのは、小説で書こうと思ってずっとあたためていたアイデアで、これはとっておきだぞと思っていたんですが、佐久間さん主演で新作を作ろうって思ったときに、この大事なとっておきを出しちゃいました。あまり練らないズボラな私が、もっとも練って書いたものであるし、わたしの人生形成に影響した過去の小さな事件たちも(フィクション化させて)取り込んであって、とても大切な作品です。ふざけたこと言っておきますが、第一回江本純子戯曲賞をさしあげときます。 [ものがたり] 現在この世に生きている「私」は、この人生が2回目であることに気づく。 母も祖母も伯母も1回目の人生では姉で母達だった。少しずつ1回目の人生のことを思い出しながら、1回目の人生で後悔していたことの幾つかをやり直そうとしていく。 人と人との別れ、人と人との出会い、生きること、死ぬこと、過去と未来のこと、ただ生きているだけなのにどうしても悩ましくて居たたまれないことの数々を、1回目の人生「スミコ」と生まれ変わった2回目の人生「さちこ」の姿を交錯させながら描いていく。 財団、江本純子vol.7「人生2ねんせい」 作・演出 江本純子 出演 佐久間麻由 加藤啓 羽鳥名美子 藻田留理子 鄭亜美 江本純子 2014年5月13日~18日 小劇場B1(東京) 5月31日~6月1日 FUCA(福岡) 6月7日~8日 せんだい演劇工房10-box(仙台) 6月14日~15日 七ツ寺共同スタジオ(名古屋)
-
財団、江本純子vol.6 「常に最高の状態(再演)」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「オバさんがはしゃいで手元狂わせたみたいにしておいて下さいよ」ー 実は初演キャストでアテ書きした本だったので、再演の際にイメージを初演に寄せてしまうんじゃないかと心配だったのですが、全く杞憂でした。初演のキャストで作ったことも再演のキャストで作ったこともとても満足しています。出演者が変わったことにより、何箇所か会話部分に書き直しと書き足しがありますが基本構造は一緒です。再演も初演も観客の反応にブレがなく、笑温度が日によって変化する軽演劇公演と違って、演出としても安心して客席から眺められます稀有な作品です。「財団(劇団)、江本純子」シリーズの鉄板作として認定します。 [ものがたり] 緊張感漂う前衛的なグループ展にアイスコーヒー片手に現れるオバオバふたり(靖恵と佳代、ふたりは姉妹)。理解不能な作品だらけだし、ギャラリーのお姉さんは感じ悪い。でもちょっとほっこりしたのはオババの娘が出展しているかわいいイラスト。くたびれて休憩していたらそこは作品の上だし、この場所はオババにとって気が休まらない。その上、アーティストたちの下らないケンカに巻き込まれてしまうし。で、またもうひとりトンがった若者がやってきたと思ったら・・。 財団、江本純子vol.6「常に最高の状態(再演)」 作・演出 江本純子 出演 千葉雅子 松本まりか 佐久間麻由 荻野友里 柿丸美智恵 2013年9月17日~22日 @ギャラリー LE DECO 5F
-
財団、江本純子vol.5 「日本全国奇形鍋」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「なんでって言われてもねぇ、なんでもないからね」ー 福岡で上演するために書き下ろした「奇形鍋」を東京で上演する用に書き直しました。何が違うかといえば、その出演者の人数。日雇い労働では1日限りの職場にやってくるその人数にも驚きました。日本のいたるところで、特にこの東京のいたることで、1日限りの機械のような労働力の一部となって生きている人々がいる。こんなにいる。きっと星の数ほどいる。「これ意味あんのか?」という疑問だらけの9時5時限定マンパワー。そんなことを淡々と。 [ものがたり] 14人の派遣労働者が工場に現れて、工場のパートたちと労働開始する。 休憩になったらタバコを吸って、大したことない会話を交わす。お昼を食べる。意味がなさそうな内職が続く。トイレに行きたくなる。おやつをもらう。午後は眠い。3時を過ぎるともっと辛い。キレる人がいる。妄想が始まる。わたしは猿山にいる猿のよう。あいつも猿山にいる猿のよう。明日もきっと似たような1日。 財団、江本純子vol.5「日本全国奇形鍋」 作・演出 江本純子 出演 亜矢乃、石澤彩美、内山樹里、遠藤隆太、大石綾子、小野正彦、川上ルイベ、北川義彦、熊谷美香、小沼早苗、佐藤祐香、澁谷佳世、高山のえみ、長 菜々美、中村倫子、橋本美和、藤井咲有里、藤崎ルキノ、星 奈美、本間玲音、宮本敏和、山口明希子、山並洋貴、吉川麻美、吉武 遥(五十音順) 2011年9月1日~4日 @SPACE雑遊
-
財団、江本純子vol.4 「奇形鍋」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「バイトだからっていい気になってんじゃねえよ」ー 2011年東日本大震災の前にも、その後にも、わたしはただただお金がなくて日雇いのバイトに行っていました。3.11の前も後も変わらずに、わたしは日雇いに行っていることが、なんだか、むなしくも、誇らしくもありました。働かざるもの食うべからず、って言葉に抗えない自分。何が起こったってやっぱり生きていくために金を稼ぐしかない人間の空しさ。他にやることあるんじゃないか、と思いながらも日雇いに行って、でも日雇いで労働それ自体のすばらしさや、必要さ、も感じてしまい。そんなことを明瞭な結論なく書き連ねています。 [ものがたり] 検品工場での9時間の労働中に3回に分けて与えられる規則的な休憩時間のこと。就業前の歪な緊張時間のこと。ルーティンワーク中の時間の進まなさは地獄のよう。おもしろくもないどうでもいい会話たち。すぐに忘れてしまいそうな小さな喜びや悲しみはいっぱいある。これが現実で、とことん不条理。働いている。なんのために? ああ狂いそう。もう狂ってしまっている。目には見えない精神の奇形化が進んでいく。 財団、江本純子vol.4「奇形鍋」 作・演出 江本純子 出演 上田しのぶ 梅津良子 大橋明代 川面千晶 倉園眞記 手島曜 中西武教 ヒガシユキコ ぽち 水本樹人 / 金子清文 羽鳥名美子 2011年5月28日~29日 @西鉄ホール(福岡)
-
財団、江本純子vol.3 「婦人口論」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「なんか、闇を抱えてる人みたいだから」ー ダイアログ・イン・ザ・ダークという光を遮断した空間を暗闇のエキスパートである視覚障害者がアテンドしてくれるツアーがあります。ドイツから生まれたものだそうです。闇の世界、それは非常に面白い体験でした。 さて、そんなダイアログ・イン・ザ・ダークのツアーに痴漢がいたら?という小学生でも思いつきそうなネタではありますが、わたしの精神的幼稚部分はそんなことは厭わずに物語を作るエネルギーとなりました。とにかく椅子にハマっていた時期で、椅子ネタを強行していることもわたしの精神的幼稚部分の証拠のひとつとしてお楽しみいただきたいです。 [ものがたり] 盲人が案内役となる暗闇体験ツアーにやってきた不仲そうな男女5人。まとまろうともまとまれない勝手過ぎる5人を、人のよさそうな盲人が引率しているのだが、ちょっと変なことがよく起こる。 財団、江本純子vol.3「婦人口論」 作・演出 江本純子 出演 馬渕英俚可 初音映莉子 澤田育子 津村知与支 野村恵里 ノゾエ征爾 2010年7月15日~25日 @東京芸術劇場 小ホール1
-
財団、江本純子vol.2 「常に最高の状態」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「なんかサウナにいる気分」ー 若い娘ふたりとオババふたりの2対2の対決なら、おそらくオババが勝つのかなと思ったけど、そこに秘密兵器的にさらにもうひとり若い娘が登場したらどうなるオババ?という、どうでもいいコンセプトのもと最初は書き出しました。設定もシンプルで、わかりやすい楽しさに溢れているので、わたしの作品の中では比較的普遍的な作品なのだと自認しています。「ギャラリー体験あるある」「前衛アーティストあるある」とも言われています。 [ものがたり] 緊張感漂う前衛的なグループ展にアイスコーヒー片手に現れるオバオバふたり(靖恵と佳代、ふたりは姉妹)。理解不能な作品だらけだし、ギャラリーのお姉さんは感じ悪い。でもちょっとほっこりしたのはオババの娘が出展しているかわいいイラスト。くたびれて休憩していたらそこは作品の上だし、この場所はオババにとって気が休まらない。その上、アーティストたちの下らないケンカに巻き込まれてしまうし。で、またもうひとりトンがった若者がやってきたと思ったら・・。 財団、江本純子vol.2「常に最高の状態」 作・演出 江本純子 出演 池谷のぶえ 内田慈 内田亜希子 安藤聖 柿丸美智恵 2009年7月28日~8月2日 @ギャラリー LE DECO 5F
-
財団、江本純子vol.1 「セクシードライバー」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「軽くでも重くでもなく、好きです、みたいな」ー ロバートデニーロのタクシドライバーじゃない感じで、もしも前田司郎さんがタクシードライバーを演じたら?と想起しました。それから安藤玉恵さんはストレスを溜め込んだちょっといびつな乗客。ふたりとは初めて一緒に演劇を作るので、私の勝手なイメージで、ふたりが喋りそうな会話を私が脳内でエチュードして、それを書き起こしていきました。書いていたら朝になっていて、リアルタイムでも脳内エチュードは続いていたんで物語のラストシーンも朝を迎え、脱稿しました。岸田國士戯曲賞の最終候補にもなりました。 [ものがたり] 夜の埠頭。タクシーに携帯を忘れてしまった女のもとに、ようやく携帯を届けにやってきたタクシー運転手。イライラと寂しさを同時に抱えこんだ女は、タクシー運転手の止まらないおしゃべりに、つい付き合ってしまって…。 財団、江本純子vol.1「セクシードライバー」 作・演出 江本純子 出演 前田司郎(五反田団) 安藤玉恵 江本純子 2009年6月26日~28日 @ギャラリー LE DECO 4F
-
財団、江本純子vol.0 「まじめな話」 上演台本
¥1,000
※ご希望の方には、江本純子の直筆サインをお入れします。 ※1枚目の画像は、公演のチラシ画像です。台本の表紙は二枚目の画像になります。江本自身が題字を書き、江本商店オリジナルです。 ※ 台本は、受注生産になります。ご注文いただいてから、スタッフがひとつひとつ丁寧にホッチキスで冊子にいたします。少しのズレや、歪さは、ご了承くださいませ。 * 江本レコメンド * ー「私、バーに行くためのお金を稼ぐ、今夜」ー 09年2月〜3月のポツドールでの演劇体験が強烈で、わたし、早いとこ自作の演劇をやらないと壊れてしまいそうというリハビリと、それと会話劇を極めていこうという強いモチベーションとで、書き始めました。女性のふたり芝居だけど、男性のふたり芝居として男性が演じても成立する物語になると思うので、そういう機会もあるといいなぁ。 [ものがたり] 夜道、金に困って切羽詰まった様子の女(花代)が、過去に金を貸したままになっている女(聡子)を呼び出す。コンビニ袋片手にふらふらと現れた聡子は、現在無職で花代に返せるお金も持ち合わせていない。すぐ終わるはずだった立ち話が、終わらない「まじめな話」に変わっていく。 財団、江本純子vol.0「まじめな話」 作・演出 江本純子 出演 町田マリー 江本純子 2009年5月22日~24日 @ギャラリー LE DECO 5F(東京) 7月17日~19日 @紺屋2023(福岡)